今週の住宅新報 流通・マン管ニュース

老朽マンションの浴室トラブル
「スラブ下配管」改修し解決
09年度「マンション等安心居住推進事業」に採択されたマンションの中から、老朽化対策に取り組んだ事例を紹介する。東京23区内に所在する方南第一マンションは、09年時点で築後37年が経過していた。マンションライフパートナーズ(東京都新宿区、柳下雅孝代表)に修繕業者選定などのコンサルティングを依頼し、同社の紹介で本事業へ応募することとなった。
老朽化の具体的事象は、排水管の水漏れ。それを踏まえたうえで、柳下氏は管理組合の協力のもと全戸訪問を実施し、他の不具合個所の洗い出しにも取り掛かった。すると、住戸単体でのリフォームでは対処できない問題が判明したという。その1つが、浴室まわりのトラブルだ。
天井裏に上階の配管
原因は、「スラブ下配管」と「浴室防水の老朽化」。同物件では、浴室周辺のガス・上水・下水の配管がスラブ(コンクリート床)の下に施工されていた。これを下階住戸の側から見ると、自宅の天井裏に上階住戸の配管が張りめぐらされている状態。つまり、水漏れが発生すれば下階に直接影響が及び、浴室トラブルが1戸で完結しないことを意味する。そこでスラブ上に配管を施工し直し、タイル張りからユニットバスへ変更する工事を提案。一括発注により、湯沸かし器込みで工事費を49万円に抑えた。
だが、専有部であるユニットバスの改修費は資金的な理由から、オプション工事として各戸の持ち出しにせざるを得ないという事情も。それでは、特に近年リフォームしたばかりの居住者が難色を示してしまう。そこで対応策として、従来通りスラブ下に暫定接続しておき、次回の浴室リフォーム時にスラブ上化できるよう「将来接続口」を設けることにした。現時点では、6割超の住戸がユニットバス化工事を申し込んでいる。
築40年前後は〝要注意〟
柳下氏によると、スラブ下配管は築40年前後のマンションに多いという。トラブルの顕在化を懸念すると同時に、早期対策の必要性を説く。また、現状の住まいに安心・快適性をもたらすだけでなく、将来的な売却を考慮しても意義深い改修だという。配管がスラブ上にあれば、水回りのレイアウト変更がしやすいからだ。リフォーム設計の自由度は、資産価値に反映される。
このほか、洗濯機置き場や換気設備などにまつわる問題の対策も講じた。現在、工事の真っ最中。マンション管理と言えばソフト面の課題に議論が集中しがちだが、ハード再生における課題と解決策を示す一例となった。
劣化事例などDB化
報告書作成システム始動へ
ホームインスペクター協
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(長嶋修理事長)は年内をメドに、09年度長期優良住宅先導事業で採択された「ホームインスペクションデータベース・報告書作成システム(仮称)」の運用を開始する。インスペクション結果の報告書をウェブで作成、データベース化するもの。事例の蓄積・共有により、各種統計調査の実施やインスペクターの質向上を目指す。
操作に当たっては簡易性を重視し、診断項目を統一してクリック1つで入力できるようにした。個人・物件を特定できる情報は入力できない仕様とする。
また、住宅履歴情報整備検討委員会が進める住宅履歴情報「いえかるて」用のサーバーを別に用意し、作成した報告書と図面などを合わせて蓄積することも可能とした。なお、同システムはあくまでインスペクション事例の共有に主眼を置くものであり、個人情報保護の部分などで「いえかるて」との違いが明確だという。
利用料は年会費に含む(現行年会費1万2000円/1人)。正式始動後、当面は事例の蓄積を最優先課題とする方針。
中古マンション成約価格
首都圏、7カ月連続上昇
アットホーム
アットホーム(東京都大田区)はこのほど、首都圏における7月の売買動向をまとめた。首都圏の新築戸建て成約価格は、前年比23カ月連続で下落。前月比は0・7%上昇し2カ月連続のプラスだった。東京23区は高額物件の成約が堅調に推移したことで、前年比が23カ月ぶりに上昇に転じた。
なお、首都圏の平均成約価格は平均登録価格(3063万円、前年比2・4%下落)を5カ月連続で上回った。
一方、首都圏における中古マンションの平均成約価格は前年比が7カ月連続で上昇。成約数の多い神奈川県で3000万円以上の物件が好調だったことなどが大きい。
ただ、首都圏の平均成約価格は4カ月連続で登録物件の平均価格(2241万円、前年比10・9%上昇)を下回った。