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(2008. 6. 10号)
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
 
 住宅保証機構が、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)に基づく保険業務を開始しました(6月3日)。

 新築住宅については、これまでも「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって、10年間の瑕疵担保期間が義務づけられていました。しかし、平成17年に構造計算書偽造問題が発覚すると、分譲したディベロッパーが倒産したために、これが履行されない状態が発生し、買主が窮地に追い込まれるという異常な事態を迎えました。

 この事件をきっかけに品確法の不備が明らかになったため、改めて今回、消費者保護の観点から制度の見直しを行ったというわけです。ちなみに住宅瑕疵担保履行法で担保される瑕疵とは、品確法と同じく、住宅の中でも特に大切とされる、構造上耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分に限られます。

 今回施行された住宅瑕疵担保履行法では、瑕疵担保責任を履行する資力を確保するために、来年の10月1日以降に引渡される新築住宅について、保証金供託か保険契約締結のいずれかを行うよう義務づけています。つまり6月2日に開始した住宅保証機構の保険は、来年から開始されるこの制度の受け皿としての業務ということになります。

 では来年10月1日の引渡しから適用される制度をカバーするために、なぜ1年以上前の6月から保険業務を取り扱うのでしょうか。
それは、制度が開始される時期にヨーイドン!で一斉に完成物件の引き受けが開始されるということではなく、建築している最中の現場検査などが保険加入の要件になるなど、実際には着工前に済ませておかなければならない手続きがいくつも存在するからです。

 なお記事によると、保険料は戸建て住宅1棟あたり約7万円になる見込みとのことで、決して少なくない金額のはずですが、今のところ現場では、全くといっていいほど話題に上りません。現場の話題の中心は、各ディベロッパーの在庫の状況であり、いかにソフトランディングしていくか、という問題です。体力消耗戦の中、不良在庫をいかに少なくするかが、経営を左右するほどの大きなテーマになっているという表れなのでしょう。

 しかし一方で、最近では価格の下落した不動産を積極的に仕入れている業者の存在も、ときどき耳にします。同日付の1面記事(不動産各社08年3月期決算「大手5社、史上最高益更新」)にもあるように、今期はサブプライムローン問題や住宅購入マインドの行方など不透明感が増すため、企業体力の有無によって業績格差が拡大するのは間違いなさそうです。
 09年/3月期は困難に直面するディベロッパーが少し増加しそうな気配を感じます。多くの消費者が、住宅瑕疵担保履行法の施行に救われるのを望みます。



高橋満

高橋住宅センター株式会社常務取締役。マンション管理士 CFP
宅地建物取引主任者法定登録講習講師、法定実務講習講師等を歴任
神奈川県不動産コンサルティング協議会事業開発研究委員
『住宅ローンのことがわかる事典』(西東社)、『FP技能士2級攻略問題集』
(TFP出版)等 編集・執筆協力多数
http://www.tjc.jp